■写真の説明 = 西暦2007年夏、東北東側から2本有る滑走路の内長さ3000mのRunway27へ着陸進入中の航空大学校仙台分校所属ビーチクラフト式C90A型機を、空港と貞山運河の間の砂利道から午後撮影。機体の全長は10.82m。プラットアンドホイットニー・カナダ式PT6A-21型エンジン2基を装備するターボプロップ機です。新型のキングエア350等は水平尾翼が垂直尾翼の上部に位置するT尾翼形式ですが、この機の水平尾翼は胴体に取り付けられています。主翼と尾翼の前縁の黒い部分は他のプロペラ機にも装着されていますが、空気を入れて膨らまし除氷するゴムブーツで、同じものがプロペラの根元付近にも付いていると思います。仙台空港では航空大学校の練習機であるこの機種数機とレシプロ機が、朝から夕方まで引っ切り無しにタッチアンドゴーを繰り返しています。私もこれらの飛行機で撮影の練習をさせてもらいました。
◆追記(トリムタブについて)= 着陸時の飛行機は、速度を落とした状態で揚力を得るために、主翼の迎え角を大きくしなければなりません。その上に主翼後縁のフラップも使用するため、水平尾翼の後縁を上げる必要があります。写真の機体は水平安定板が固定されているため昇降舵のみが上がっています。昇降舵は下向きの力を発生させますが、それよりも迎え角の増加やフラップの使用による主翼の揚力の増加分の方が大きくなります。小を殺して大を得ているわけです。昇降舵の内側後縁に位置するトリムタブは“昇降舵の昇降舵”として働きます。トリムタブの後縁は下がっていて上向きの力を発生させますが、昇降舵の下向きの力の方が大きくなります。ここでも小を殺して大を得ています。