■写真の説明 = 西暦2007年夏、東北東側から2本有る滑走路の内長さ3000mのRunway27へ着陸進入中の宇宙航空研究開発機構(JAXA)所属ドルニエ式Do228-200型多目的実証実験機(MuPAL-α)を、空港と貞山運河の間の砂利道から午後撮影。珍しい飛行機を撮影できました。機体の全長は16.56m。ギャレット式TPE331-5-252D型エンジン2基を装備するターボプロップ機です。主翼の平面形が新鋭の高性能グライダーのように翼端に近付くに従い後退角が大きくなる形になっています。この平面形は非常に高効率とされる楕円翼に近いですが、さらに翼端渦の発生する位置が後方に下がっていることにより、翼端渦が主翼に及ばす悪影響である誘導抵抗が減るのだと思います。また翼端に近付くほど強く働く"後退角の上反角効果"によって安定性が増すからだと思われますが、主翼の上反角は無く正面から見ると一直線で、主翼に働く力で左右から押し合い無駄になる成分が無いので、その分主翼の生み出す力は小さくて済み、空気抵抗は更に減少するでしょう。後縁フラップは下面側が後方にずれながら下がり、翼弦とキャンバーを増やすファウラーフラップで、翼端側の補助翼はフラップとしても働くフラッペロン(ドループエルロン)です。水平尾翼は全体を動かすことができるもののようです。主脚は四角形断面の胴体の下部から突き出たバルジに格納されるようになっていますので、支柱は短く軽いもので済んでいるようです。エンジンナセルは小型軽量大馬力のターボプロップエンジンのみを内蔵する小さなものになっています。