写真画像 カナディアン航空 CDN→エア・カナダ(Canadian→AirCanada)AC ACA ボーイング747-400(Boeing747-400) C-FGHZ
■写真の説明 =西暦2000年、北北西側から長さ4000mのRunway16(当時成田の滑走路は1本だけでした。)へ着陸進入中のカナディアン航空ボーイング747-400ジャンボジェット機を、桜の山公園の奥に入った所から、夕方撮影。機体の全長は、70.66m。装備しているエンジンは、ゼネラルエレクトリック General Electric GE CF6-80C2B1F 又は 80C2B5F のようです。エンジンのバイパスエアが噴出する位置より後ろの塗装がされていない部分に格子状の小さな開口部が黒く見えます。このエンジンと形状が似ている、プラットアンドホイットニー製の PW4056、PW4060、PW4062 等は、同様の開口部が、コクピットに座る操縦士から見て左側に在るようです。
◆追記(エンテ形式の飛行機について) = 写真のボーイング747のような主翼と水平尾翼を持つ通常の形式の機種が飛行機の大半を占めますが、他にも水平尾翼が無い代わりに機首に小さな翼 (カナード) を持つ 大二次世界大戦時の日本の戦闘機 『震電』 、無給油世界一周飛行をした 『ヴォイジャー』 等の エンテ Ente 形式や、水平尾翼もカナードも無い 超音速旅客機 『コンコルド』 、ステルス爆撃機 『B2』 等の 無尾翼 形式、そしてビジネス機 『ピアッジョ アヴァンティ』 の、通常の主翼と水平尾翼の他にカナードも装備する形式も有ります。一部の最新鋭戦闘機を除き、これら全ての形式の飛行機で共通している点として、後ろに位置する翼に比べ、前に位置する翼の迎え角が大きく、重心位置を前の翼に近付けてあり、前に位置する翼の翼面荷重が大きくなっていることが挙げられます。無尾翼形式では、より前に位置する翼の内側部分の迎え角が大きくなっています。コンコルドは、後方に位置する翼端付近の迎え角が小さくなっているようです。このようにすることにより、機首を上下させる方向の安定を保つことができます。
◇主翼と水平尾翼を持つ通常の形式の飛行機では、主翼と水平尾翼の両方で揚力を発生させて飛ぶことは可能ですが、水平尾翼が機体を持ち上げる役目も担うことは少ないようです。主翼による吹き下ろしは水平尾翼の付近でかなり強く、ここで水平尾翼が揚力を生むと、自ら作ったものと主翼からのものを足した強い吹き下ろしに起因する強い抗力を受けるからだと思われます。水平尾翼が下向きの力を発生することは多いようです。この場合、主翼の発生させる吹き下ろしによって、水平尾翼には前向きの力の成分が生じるかもしれませんが、水平尾翼が機体を押し下げた分、主翼が余計に揚力を発生させなければならないため、これに伴う抗力の増加もあるでしょう。
◇エンテ形式では、機体後部に位置する主翼が、カナードの生ずる吹き下ろしを受けますが、それはカナードの翼幅の範囲内の限られた部分のことで、それより外側ではカナードの発生させる吹き上げが、主翼の吹き下ろしを抑え、誘導抗力を減らします。エンテ形式の Ente はドイツ語で カモ のことだそうです。エンテ形式の、主翼が後ろ寄りに付いた機体の形状と、カモ等の首の長い水鳥の姿が似ているので、この形式をこう呼ぶのでしょう。水鳥は編隊飛行をしますが、前を飛ぶ鳥の出す吹き上げの中を後ろの鳥が飛び、これを交替で行うことによって、一羽で飛ぶときに比べ体力を節約しているのだそうです。エンテ形式の機体のカナードは先頭の水鳥に、そして吹き上げを受ける主翼の左右の部分は後ろを飛ぶ二羽の水鳥に相当します。つまりエンテ形式の機体には、一羽の水鳥の姿の他に、編隊飛行をする三羽の水鳥の姿も隠されている訳です。
■撮影に使用した機材 = カメラ:Canon EOS 5 , レンズ:Canon EF 70-200mm F2.8L USM , フィルム:FUJIFILM FUJICHROME Velvia , 一脚:SLIK ザ プロポッド + バル自由雲台