写真画像 全日空(ANA)NH ボーイング777-200ER(Boeing777-200ER) JA710A
■写真の説明 = 西暦2000年、南南東側から長さ4000mのRunway34(当時成田の滑走路は1本だけでした。)へ着陸進入中の全日空ボーイング777-200ERを、空港と人参畑の間を走る道路の空港寄りの脇の空き地から、夕方撮影。機体の全長は63.7m(ボーイング747-400の90/100。)。装備している2基の大きなエンジンは、プラットアンドホイットニー Pratt&Whitney P&W PW4090 のようです。
◆追記(旅客機のエンジンの進歩について)= 私が子供の頃、父親に何度か飛行機を見に福岡空港へ連れて行ってもらいました。ジャンボジェットも就航していましたが、当時の主流の機種はボーイング727やダグラスDC-8等でした。エンジンは低バイパス比の細長い形状のもので、爆音は非常に大きく駐機場に近付いて来る際には耳を塞がずにはいられませんでした。その後の旅客機のエンジンは燃費効率が良く騒音の小さな高バイパス比の太く短いものになり、新しい機種のエンジン程バイパス比が大きくなって行きました。エンジンが太い程出力が大きく、同じ太さなら短い程軽くなる傾向が有りますから、太くて短い高バイパス比のエンジンは、静かで燃費効率が良い上に強力である割に軽いエンジンであると言えると思います。エンジンの信頼度も高くなりエンジンを2基しか装備しない機種が増えました。写真のボーイング777の和太鼓のような形のエンジンを、もし40年前の人々が見たらきっと驚くでしょう。
◇777に続く機種で、1981年初飛行のボーイング767の後継として開発され2009年12月15日(アメリカ)に初飛行した最新鋭機ボーイング787は、これまでに無い程バイパス比が高い高効率のエンジンを装備しています。このエンジンが吸い込む空気の内で燃焼に使用されるのは1割未満であり、残りの9割以上はエンジン前部の大口径のファンで加速され機体を推し進めます。更に機体は新素材の採用により軽量化され、形状が洗練されたことにより空気抵抗も減少し、787の二酸化炭素の排出量は767と比べ20パーセントも少なくなるそうです。京都議定書では1990年を基準とし2007年から2012年までに先進国全体で温室効果ガスを5パーセント以上削減することを目標にしていますが、767との比較でそれを余裕をもって達成しているアメリカ製のこの飛行機の受注機数は驚くような勢いで増え続けています。この事実は環境保全と商業活動が両立する時代に既に完全に移り変わっているということをはっきりと示しています。ボーイング787はANAが採用を決定したのをきっかけに、計画の実現に向け開発が始められました。787を世界で最初に就航させたのもANAです。(AirLiners.net内のボーイング787の写真へのリンク
■撮影に使用した機材 = カメラ:Canon EOS-1V + PB-E2 , レンズ:Canon EF 70-200mm F2.8L USM , フィルム:FUJIFILM FUJICHROME Velvia , 一脚:SLIK ザ プロポッド + バル自由雲台 , 露出計:SEKONIC スタジオデラックスIII L-398A